2006年04月04日

幸せな作品

ワークショップに来てくれた石沢さんからも感想いただきました。公演が次の週にあって見られないのだそうで、忙しい稽古のあいまを縫って稽古場に来てくれました。

***********************************

すごく幸せな作品だったと思います。上手く言えないんですが、とても温かくてやさしいものに触れたような気分になりました。あの、研究室という舞台にその空間の空気というか雰囲気というかそういうものがしっかりとそこにあって、それはきっと役者のみなさんがちゃんと役を背負ってそこに生きていたからだと思うんですが、終始その空気にやさしく包み込まれているような気分でした。その空気は劇中、ゆったりと繊細に、時には急激に変化するんですが、その度にこちらも心を動かされっぱなしでした。私はとくに秘書の役に感情移入してしまったんですよね。研究室でとてもささやかだけど美しい研究に没頭している人達の姿が本当に輝いていて、そんな人達をやさしく見守っている秘書の姿もすごく素敵で、でも彼女は自分は見守る事しかできないっていうのをどこかに持っていて、それで何かすごく切なさを感じてしまったんです。でも、その彼女の思いをすくいとるような先生の言葉に、何かこっちまですごく救われた気分なったり。最初に幸せなお芝居だったって言ったけど、もちろんそこには幸せだけがあるわけじゃなくて、登場する人達はみんな何かを背負っていて、涙が出るようなせつない瞬間もあるんです。だけど、見終わった時にそれがネガティブな方向で残らなくて、何というか色んなものが救われて、なぜかすごく温かいものが残るんです。前回の「子供の領分」も私大好きなんですけど、「子供の〜」は心をがっと鷲掴みにされた感じで、今回の作品はふわーっと包み込まれるような感じでした。
なんだか全然まとまっていないのですが、とにかく素敵なお芝居でした笑。私は大好きです。本番はもっといいものが見れるのかと思うと、行けないのが残念でしょうがありませんが…。こんな事しか言えなくてすみません。本番頑張って下さい!
posted by 砂漠 at 00:17| Comment(41) | TrackBack(10) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月03日

単なる懐古趣味とは言えない

稽古場に来てくださったお客さまの中村昇司さんからステキな感想いただきました。中村さん、どうもありがとうございました。

************************

現在、一般にはほとんど名を知られていない科学者のある一日を描くという、題材としては、センセーショナルといったこととは遠いものであるが、それだけに、現在と一筋につながるような生身の人間らしさ、愛情や誇りに満ちた作品に思える。

この一日は歴史上にささやかな足跡が為された日であるのに、そういったことへの劇的な盛り立ては過剰にされず、むしろ、史実には記されないその周辺が、当時に息づく人々の熱く真直ぐな生が描かれている。

作中で語られるように、ちょうど無数に積もる雪に一片と同じく、主人公・中谷の業績は、人類の歴史上からみれば、極めてささやかなものであるが、その一片にすらも、多くの人々の長年にわたる努力と情熱が費やされている。
その眼で、現在われわれの周囲を取り巻く世界をみるとき、そこに膨大な、人間の生の結晶を見ざるを得ない。

たいへん丁寧に、当時の熱気のある研究室の空気を描き出した、何のてらいもなく実直で温もりのある作品。
これを単なる懐古趣味と言うことは誰にもできまい。
今作はそのまま、一つのストレートな現代批判であり、戦後日本がかかえる空虚を浮き出させる、誰もが知っているはずの忘れ物、(作中の語を借りれば)燃え続ける灯のようなものを提示しているのだから。

稽古場の段階でここまで出せるものなのか、と感心させられた。
本番、全ての舞台装置が揃った段には、どれほどにあの時代を描いてくれるのか、期待させられる。
posted by 砂漠 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月02日

藤田一樹の観劇リポート 藤田一樹さん

中学生ブロガー、藤田一樹さんが稽古場を訪れてくれました。
以下許可を得ましてサイトからコピーアンドペーストいたしました。
サイトはこちら。
http://white.ap.teacup.com/kazudon/
初めてお会いした藤田さんは、おもったとおり、知的で華奢な少年でした。

*****************************

2006/3/30
《稽古場公開》風琴工房『砂漠の音階』  
4月5日(水)にザ・スズナリで開幕する、風琴工房『砂漠の音階』。詩森ろばさんが作・演出を手がけている劇団の新作公演です。風琴工房はずっと観たいと思っていたものの、未だ観たことがありませんでした。今回は稽古場を見学できる機会がありましたので、お邪魔してまいりました。

僕が伺ったのは、舞台美術や照明が入らない簡易な稽古場でした。拝見したのは通し稽古で、公開プレビューのような形での上演です。やはり本番を観てみないと分からないところもありましたので、とりあえず端的に全体の印象を中心に書かせていただきます。

実在した科学者“中谷宇吉郎(1900〜1962)”がこの作品の主人公。舞台は1936年3月12日の北海道大学・研究室。そんな中谷宇吉郎が雪の結晶を世界で始めて作ることに成功した日のことが、丁寧な会話劇として描かれていました。1幕もので、上演時間は確か1時間40分弱ぐらい。

科学を扱っている作品だということで、勝手に難しいのでは・・・?と観劇前は予想していました。でもそんな心配は無用で、とても分かりやすく、きっと幅広い客層が楽しむことが出来る作品だと思います。じんわりと胸に響いて、じんわりと良い余韻が心に残る・・・・・そんな素敵なお芝居でした。優しくて、切なくて、暖かくて、愛しいです。そして科学へのロマンや面白さも感じました。

丹念な取材に基づいて執筆されているようです。取材旅行の様子などが特設サイトに掲載されていて、見応えがありました。十分に面白かったのですが、少しだけ単調に感じてしまった気がします。もう少し人物像などに深みが増したり、ひねりがあったりしても良かったのかもしれません。ただそれは実話に基づいているということで、仕方がないのかもしれないとも思いました。

僕は本番の公演も拝見させていただく予定です。きっとこれからまた稽古を重ねて、より洗練されていくんでしょうね。ザ・スズナリという空間で、美術や照明などが加わって上演されるのを創造するとワクワクします。とても楽しみな公演がまた一つ増えて、今から期待が高まりました。
posted by 砂漠 at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月30日

休むに似たり かわひらさん

演劇系人気ブロガーのおひとりでもあるかわひらさんが稽古場に遊びに来てくださいました。差しいれ、ほんとにありがとうございました!
以下サイトから許可を得て、コピーさせていただきました。

そんなかわひらさんのサイトは、こちらです。
充実のレビューに注目!
http://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/

********************************

風琴工房の新作「砂漠の音階」の公演を間近に控え、通し稽古公開を拝見する機会がありました。時間を作ることができましたので、伺いましたので、簡単に。芝居の感想は改めて。(公演は4月5日から12日まで、ザ・スズナリ、約100分。)

太平洋戦争の少し前、北海道大学の研究室を舞台に雪の結晶を人工的に作る研究を重ねていた中谷宇吉郎と研究者たちの話。すくなくとも人物達の多くは史実に基づいているようです。科学と家族の、実に優しい話なのです。

科学者たち、それも日本の戦前を舞台にしたものというといくつもの名作があって、「フユヒコ」や「東京原子核クラブ」、時代はちょっと違うけど「法王庁の避妊法」など。それを支える女性達、という構図も類型的ではありますが、時代背景を考えれば、こうなるのは自明ともいえます。

実に真面目に、科学者というものに向かって取材を重ね、そこから得たモノで舞台に「科学者の生き様」を再現しようとしていると感じます。

話をまっすぐに進め、登場人物全てに優しい視線を投げかける作家の視線は、ときに平板を感じさせるかも知れません。米国帰りの学者の気持ちの動きのあたり、終盤の研究者のあたりの下りが好きです。反面、主役となるべき中谷の描かれ方が少々真っ直ぐに過ぎて、もっと葛藤が見たいところ。

限られたリソースの中での稽古場ですから、まだ声量や「はしゃぎかた」のバランス調整(いや、若手のはっちゃけ具合は、あたしは大好きですが)をしている最中というところも、あたしが見た時点では感じます。劇場に合わせるべきものでしょうし、いつ調整されるべきものかもわかってないので、きっと初日では問題にならないという気もします。

これが舞台ではどうなるのか、公演を拝見したいと思っています。さて、どこに押し込もう...
posted by 砂漠 at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月29日

「ロマンだなぁ〜。」

公開稽古にいらしていただいた、ひらたけいこさんからご感想いただきました。どうぞ。ごらんください。

*****************************

「ロマンだなぁ〜。」
雪の結晶というだけですでにロマンなのですが、科学者という人たちの純粋さひたむきさ(わたくし的には理系の男子というだけで憧れてしまうようなところがありますが)、たくさんのロマンを感じたお話でした。寡黙な求道者でなく目をキラキラ(たぶん)させて夢を語る饒舌な科学者というキャラクターは、文系の私にすんなり入ってきました。
あと、「愛がいっぱい。」
敬愛だったり恋愛だったり友情だったり。
手放しの愛情の発露もあれば、秘める恋心(?)もあり、それに気が付いているんだかどうだかな人もいて、この先どうなるという興味もかきたてられながら観ました。
こう書くと、なんだか”科学もの”ではないみたいですが(あ、科学ものなのでしょうか)、研究者の葛藤とか、科学が社会とどう折り合いをつけていくのか、みたいなことも盛り込まれているわけで、でもその部分はもう1回見ないと、です。台詞では、科学の弊害について雪を絡めたものが印象に残っています。
俳優さんはみなさんちゃんとその人自身になっていて好感がもてます。登場人物にヤな奴が一人もいないのもいいです(私には)。
ラストは、観ていてフッと気が緩んでしまいつかみきれない部分がありましたので、本番はそこのところ気合を入れて観ようと思います。
posted by 砂漠 at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月27日

稽古場公開しています

小劇場では、1週間を越えます公演ですと、どうしても前半にチケットが伸び悩み、後半になりますと(評判がよい場合)どんどんお客さまが押しかけときに入れない、という事態ともなります。今回、科学という一見地味で、難しそうな題材なのですが、風琴工房としては、異例と言ってもよいほど、わかりやすく、またあたたかな物語となっており、ぜひ前半からたくさんのお客さまに見ていただけたら、と考えました。
そこで、公演のチケットとセットでの稽古場公開、その感想のインターネットでの公開を今回、行ってみることにいたしました。率直な感想をインターネット上で公開していただくことで情報宣伝にご協力いただきたいという企画です。もちろん感想は必ずしも褒めていただく必要はありません。お客さまのご意見反映し、さらに作品のブラッシュアップをしていく、という目的もございますし、いわば稽古場での公開プレビューです。

その稽古場でのプレビューに日頃風琴工房を愛してくださっているお客さまをご招待いたします。今回は試験的に行うということもあり、本番のご観劇(ご予約済みの方もご遠慮なくどうぞ)とのセット公開となりますので、チケットのご購入が必要となります。そのほかの条件は、ご自身のサイトをもってらっしゃる場合はそちらで、もしくは劇団の公式サイトのレビューフォームに書き込みをいただくことだけです。

作品の真価を問う貴重な機会を与えていただければと思っております。
予約は、
fukin@windyharp.org
までお願いいたします。折り返し、地図など詳細をお送りいたします。
スケジュールが合わないけれど、見てみたいという方もお気軽にお問い合わせください。
27日以降でしたらほぼ毎日通し稽古を行っておりますので、お時間合いましたら見ていただくことが可能です。

********************************

稽古場プレビュー日時
3/28 7時30分
3/30 7時30分
4/1 7時30分
時間の多少の前後がございますこと予めご了承ください。

場所 下北沢 徒歩5分程度のスタジオ

照明・仕掛けなど入らない簡易な稽古場での通し稽古です。

*********************************

●砂漠の音階インフォメーション

【タイトル】砂漠の音階
【場所】下北沢ザ・スズナリ
【日時】2006年4月5日(水)〜12日(水)
 5日(水)7時30分
 6日(木)2時※昼ギャザ/7時30分
 7日(金)7時30分
 8日(土)2時/7時☆
 9日(土)3時
10日(月)7時30分
11日(火)2時※昼ギャザ/7時30分
12日(水)7時
☆8日7時の回終了後、ポストパフォーマンストークあり。

【出演】
松岡洋子/宮嶋美子/笹野鈴々音/浅倉洋介(以上 風琴工房)
杉山文雄(グリング)/岩崎裕司/増田理(バズノーツ)/宮崎新之助

●公式サイト 次々更新中
稽古場日誌や物語、出演者インタビューなど日々更新中です。特集の充実に括目ください。

http://windyharp.org/desert/

****************************************

●砂漠の音階は・・・。
1936年3月12日。実在の科学者、中谷宇吉郎さんという雪氷学者が人工の雪の結晶を作ったその日いちにちのおはなしです。中谷研究室を舞台に交錯する人々のあかるくそして切ない人生を横糸に、ちいさく歴史に名を留める、「その瞬間」を描きます。

中谷先生は、雪や科学を愛するひとにとっては、アイドル、といってもいいほど敬愛されている科学者です。たくさんの優れた随筆を残し、それらは岩波文庫などでいまも読むことができます。今回の作品は、そのなかのエピソードをよりあわせたり、想像を加えたりして構築しました。どうぞたのしくご覧ください。
posted by 砂漠 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

レポートその1 こりんさんの稽古場リポート

第一弾は、マジックの参考に・・・という思惑を胸に、稽古場を訪れた、こりんさんの稽古場リポート。返し稽古を行っているとある日に稽古場を訪れていただきました。果たしてこりんさんのマジックの参考に・・・なるのでしょうか?

**********************************


マジックを演じる上で何か参考になることがあるにちがいないと思い、劇団の主宰をしている友人の詩森さんにお願いして演劇の稽古の様子を見学させていただいた。快諾してくださった詩森さんに感謝。

具体的にこういうことが知りたいというほど課題は絞り込めていないので、演劇を作っていく過程を見ることで何かヒントになることが見つかるといいなぁくらいの状態で見学。

見学が終わった後の感想としては
「高度すぎて、すぐにオレのマジックの参考にできるようなことはない!」
という感じです。

見せていただいたのは「返し稽古」。あるシーンを役者さんが演じて、ところどころで演出さんが止めてコメントをし、それを受けてまた同じシーンを演じる、と繰り返していました。

まず思ったのは調整している内容というかレベルがマジック業界で行われている(であろう)ものよりも遥かに精度が高く、とても微妙な作業を繰り返していること。

同じシーンを繰り返す都度少しずつ演技が変わっていることはなんとなくわかるし、稽古場の皆さんが「これが一番良かった」と言ったときの演技がたしかに「良かった」のだろうこともなんとなくわかる。

しかし何が違うのか、どう違うのかはよくわからない。

セリフはまったく同じ。舞台上での役者さんの動きも「こりんはテーブル上から茶碗を取り上げてお茶を飲みながらテーブルからゆっくりと離れた」といった記述レベルではまったく同じ。でも何かが違う。

もしかすると同じシーンを何度も見て先を知ってしまったことで感想が変わっただけかもしれない。もしかすると演出さん役者さんが議論している内容、例えば「相手の言葉に毎回共感したほうがいいのかもしれない」といったことを聞いてから見ているために感想が変わっただけかもしれない。こういった要素を分けて考えられるようになるのだろうか。

それから印象に残ったのは、演出さんは役者さんの演技の具体的なことにはあまりコメントせずに、行動の動機とか理由についてコメントしていたこと。「その質問にどう答えて欲しかったんだろう?」「そのセリフは質問に対する答えではなくて、自分のポリシーを語っているのだと思う」こういう視点でマジックのセリフを考えたことはほとんど無いように思う。

あとは役者さん同士が演技を練っていく過程で互いの演技が互いの反応を引き出していき、なんというかとても生々しい感じを受けた時があり、それはとても面白かった。匠の共同作業の現場に立ち合わせてもらったような気になってしまった。

オレには違いの具体的な点も良くわからない微妙な差を感知して問題意識を持ち、さらに改善につながるコメントを提示することのできる演出さんもすごいし、提示されたコメントに基づいてその場で演技を作り変えられる役者さんもすごい。これだけの共同作業が成り立つ前提にはどれだけの鍛錬が積まれているのかと思う。

なんだかまとまりませんが、とにかく刺激だけは受けました。消化はしきれてません。

というわけで風琴工房「砂漠の音階」は「雪に捧げた研究者の人生を凝縮したいちにちのおはなしです。希望を研究したひとたちの、あかるく、すこしだけ滑稽な、胸にしみいる「その瞬間」を描きます。」

本番は4/5(水)〜12(水)。あらやだ、もう2週間ないじゃない!

旦那さんを質に入れてでも行きましょう。
posted by 砂漠 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。